ごあいさつ
この度、インターカレッジファッションデザイナーズ2023が開催できましたこと、心より感謝申し上げます。誠にありがとうございます。
人々にとって、「服」は、身近なものであるというだけではなくて、なくてはならないものです。社会のほとんどの人々が身に着けているものは、誰かが作り、それを購入したものです。人が生きる時になくてはならない「服」を作り上げる、ファッション学校の学生さんは、社会にとって、なくてはならない存在です。誰かが作らなければ、ほとんどの人は衣服を着ることができないのですから。
「服」を作る人は、社会に服を提供するわけですから、この仕事には重要な役割があり、責任があります。人が衣服を着て生活をするときには、様々な社会的な規範があったり、動きやすさに考慮したり、自然環境に対する配慮など、衣服の作り手が責任を持たなくてはならないことがたくさんあります。
そしてもう一つ、ファッションの大きい役割はメッセージです。衣服を通して社会の人々に、作り手の、デザイナーの思いを伝える、社会に対する意見を表すことも「服」の中には含まれています。
この度、世界的なファッションの博物館である、神戸ファッション美術館に、関西と関東を代表する6つの学校より、51作品を出品していただきました。学生さんの図録、動画でのプレゼンテーションは、誠に素晴らしく、頼もしく存じます。
学生の皆様、ご指導にあたられた先生方、誠にありがとうございました。今回のエキシビションが、将来を担う学生さんにとって交流の場となり、さらなる学びを深める機会になれば嬉しく思います。
最後になりましたが、多大なるご協力をいただきました神戸ファション美術館の副館長・石井嘉彦様、首席学芸員・浜田久仁雄様には、深く感謝申し上げます。
Fashion Designers 代表 伊豆原 月絵
代表略歴
伊豆原 月絵(いずはら つきえ)
日本大学教授。博士(学術)。大阪樟蔭女子大学元教授。日本博物館学会理事、国際服飾学会理事。文化服装学院・桑沢デザイン研究所非常勤講師。担当科目は、服装史、服飾美学、オートクチュール特論、色彩学、デザイン論、博物館学など。
大阪樟蔭女子大学在職中は、神戸ファッション美術館と学館協同事業を行い、ロココ時代の宮廷衣裳の復元研究やコルセットの復元、展示などを研究代表者として担当。
主な著書に、「FASHION-世界服装全史-」責任編集・日本語訳監修、「ファッションの記憶―1960~70年代おしゃれの考現学」、「色から始めるオシャレ」、他著書多数。